SSブログ

コンピュータを使った作曲方法とトレーニング [音楽制作]

音楽制作をしようと思ったら、まず作曲しなくてはなりません。普通に考えてここがハードルの高いところだと思います。
昔だったら、例えばピアノが弾けない、ギターが弾けない、譜面が読めない.......で曲作ろうなんて発想にはならなかったと思いますが、今はツールが発達していますので、必ずしもそうとは言えないでしょう。
録音/ミックスを行うDAWソフトウエアの多くは、元々はMIDIシーケンサーから発達したものが多く、オーディオが扱えるようになっても、曲を作るのに便利な機能を数多く備えていますし、逆にPro ToolsやLiveといったオーディオ編集側から、そういった作曲向け機能を備えるようになった製品も出ています。初心者向けだとGarage Bandといったソフトもありますよね。

また、ツールの発達だけでなく、作曲に便利なサンプルループやバーチャル・インストゥルメントなどの進化も追い風です。

こういったコンピュータ上で動作する作曲ツールを使う場合、大きく2つのパターンで曲を作るケースが多いと思います。
  1. コンピュータに向かう前に、ほぼ曲の形を完成させる(右脳/左脳分離型)
  2. コンピュータに向かってから、曲のアイディアを構築して行く(右脳/左脳混合型)
もし音楽の知識に関して、アカデミックなバックグラウンドがない場合は、「2」の方法で曲を作っていく方が格段にスピーディーです。但し、この場合、下記の条件があります。
  • 自分がやりたい音楽をとにかく数多く聴いている=出て来た音の良い/悪いを判断できる能力が備わっている
  • コンピュータ上で動作するツールの使い方、特に良く使用する基本動作を無意識で操作できるようになっている
つまり、カット&トライで曲を作って行くときに、コンピュータは、それをインテンポにしたり、ピッチを修正したりすることはできますが、そもそも選択するサンプルループが、その曲に適しているか、ベースラインとコードがずれてないか等に関しては、自分の耳で判断するしかないので、理論的なバックグラウンドがない場合は、色々な曲を聴いて、経験値を上げていくしかないわけです。

また、基本的な操作を無意識に実行できるようになることは、本来最も重要な曲のアイディアの創造を妨げないという意味で重要です。この場合、例えば、エンジニアやオペレーターになる場合であれば、様々なショートカットなどを覚えなくてはなりませんが、自宅で自分だけで使うのであれば、ショートカットは、本当に頻繁に使用するものだけ、例えばカット、コピー、ペーストとか、各種編集ツールの切り替え等だけ覚えておけば良く、後の機能に関しては、マウスを使ってメニューから操作しても問題はないと思います。
肝心なのはオペレーションの速度ではなく、コンピュータを操作することが、どれだけ脳に負担をかけるか、作曲というクリエイティブな行動を行うような場合は、それを最小限にとどめる事が大切になります。

簡単に言うと、操作思い出してる間に、フレーズを忘れてしまう......なんてことがあると本末転倒ですよということです。

その意味で、最初は焦らずに、トレーニングをしながら、ツールの使い方を覚えて行くことをお勧めします。

自分の場合は、1曲目は適当にいじってるうちに何となく出来上がったのですが、本格的には、学生時代にバンドをやっていたころ、何曲かメロディーだけは作ったのがあったので、それをきちんと曲にしてみるということからトレーニングを始めました。

その2曲が下記です。
20年以上前の曲ですが、実際に形にしたのは2年前です。





1曲めの「You」という曲は、その当時、流行ってたフュージョン系です。2年前は、まだPro Toolsがバージョン7になりたてでXpandという付属音源もなく、ドラムはBFD Liteで完全打ち込み、ブラスやベースは確かReason AdaptedをReWireで接続し、後はSampleTank SEだったと思います。
ギターの録音も慣れてなくて、リズムが全く取れず、自分はなんてリズム感が悪いんだろうと相当落ち込みました。ギターソロも、数テイク録ったのですが、途中でピックアップをミドルからリアに変えたりしてたので、切り貼りしても、トーンが全然変わってしまって、全く綺麗につながらず、弾き直せば良いものを、EQ処理などで無理矢理近い音にしようとしたものですから妙に不自然なトーンになっています。軽くワウがかかっているのも、それをかけた方が「誤摩化しやすかった」からです。ベースラインと、途中で入る妙にテンションの高いキーボードのコードもなんとなくあってないし、頭に思い描いた通りには行きませんでした。多分、こんな曲でも約一ヶ月格闘したと思います。

2曲めは、「Space」という曲で、ギター以外の音源は、全てXpandを使っています。シンプルなメロディーの曲ですけど、XpandのSimmerというキラキラしたPad系のストリングスが、いい感じで浮遊感を与えてくれてると思います。
ドラムループも、Xpandのプリセットですが、終止同じパターンです。途中で展開しようと思ったのですが、フレーズが浮かばなかったのと、他に適してループも見つけられなかったのです。エフェクトも、付属のEQ、DynamicsそしてリバーブはD-Verbを使っていますが、積極的に音をいじるというよりは、素材のサウンドをほぼそのまま生かしてる感じでした。

初期の曲は、途中でハードディスクがクラッシュしてしまって、マルチのデータで残っていない為、今となってはもういじりようがありません。かろうじてマスタリングする前のステレオミックスの素材があったので、それを元に、再度、Waves L3や他のEQなどを使ってリマスタリングしてみましたが、根本的に曲としておかしなところは直すことはできないのです。
これらの曲は、最初は「1」の形でアプローチしたわけですが、それが完全でなかった為、途中から「2」のアプローチに切り替えてみたものの、曲のコンセプトがはっきりしていなかった上に、ツールの操作や機能の把握にも難があったため時間がかかってしまい、かつ中途半端なものになったという好例(?)ですね。

まあ、最初は誰でもこんなもんだと思いますが、要は少しずつでも進化していけば良いわけです。
頑張りましょう!




共通テーマ:音楽
Beck音楽がタダに...... ブログトップ
http://soundcloud.commakasaka

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。