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Pro Toolsで曲づくりに突撃!:BLITZ [Pro Tools]

9月に入ってバタバタと忙しい日々が続いており久々の更新です。

おさらいしておくと、自分が作る曲は全て、自宅録音ってやつで、システムはApple iMac G5Digidesign Mbox 2を使いました。生で弾いてるのはギター類で、後は打ち込み類は全てバーチャルインストゥルメンツ、そしてサンプルループです。

外部のエフェクターも音源も一切使ってません。完全に「箱の中」だけで完結してます。
入出力も、アナログインが1入力とアナログステレオアウトとヘッドフォン出力しか使っていないので、ゆえにMbox 2で十分だったりするわけです。

レコーディングのファイルフォーマットは、24bit/44.1kHz。96kHzにしていないのは、CPUベースでミックス/マスタリングまで完結しようとする場合のパワーを考慮し、96kHzで得られるであろう音質的な優位性よりも、多くのエフェクトやバーチャルインストゥルメントを実行できる方がメリットがあると思ったからです。

これが逆に、自分がバンドのボーカリストで、自宅で制作するネタは基本デモで、ただボーカルテイクはもしかして本チャンでもそのまま使うかもしれない...........みたいな立場のミュージシャンだったらスタジオに持ち込んだ時のことも考えて、96kHzレコーディングできるPro Toolsシステムを選ぶもしれません。マイクやマイクプリもきちんと外部に揃えたはず。

では、そんな環境で作った「曲」解説。

そのPro Toolsの画面です。

Blitz Screen.png

この曲は、たまたま入ったレストランでかかってた曲の中に、シンセのシーケンスから入ってバンドが突然入ってくるというのがあり、それがとてもかっこ良かったので同じ感じで入る曲を作ろうと思い立ったものです。

最初のシーケンスが、モールス信号みたいなイメージで、敵機来襲で緊急打電してるところに、急に「電撃」的にアタックを受ける、その後は混乱の坩堝......でも徐々に反撃していく........みたいな雰囲気で感じてもらえれば。ドラムが敵側で、その他の演奏が攻撃されつつ反撃してる側って感じですね。

ドラムは、90年代に出た某サンプルCDのネタを使っています。
パンチの効いた、かなり派手なタイコですけど、攻撃する側ですから、相当荒くれでいいかなーと思って採用しました。
多分、クリックも何も聴かないで録音してたのか、抜群のグルーヴながらも、テンポが一定ではなく、また、当時のサンプルCDの多くがそうであるように小節の区切りもテンポ表示もないので、Pro Toolsに取り込んだ後、当時、ちょうどでたばかりのバージョン7.4の新機能「エラスティックタイム」で曲のテンポに合わせています。テンポ的にはオリジナルとは約10くらい違うってたと思います。ギターソロの頭のところのループ(ちょっと静かな部分)は、最近のネタからですが、その他は、全部この昔のループネタです。

ギターとユニゾンでメロを奏でるシンセ類は、Xpand!を使い、エレピはVelvetを使いました。トレモロが、ちょっといい感じですよね。
自分は、キーボードは、幼少の頃、カワイ音楽教室(なぜかヤマハじゃない!)にちょっと通ったくらいで、弾ける人から見れば、全く弾けないに近いレベルです(笑)。ですので、MIDI類は、一応、鍵盤で弾き、リアルタイム入力していますが、クオンタイズやノートの追加等、後から相当いじっています。MIDIシーケンスの使用歴は、それこそPerformer, Visionの初期の頃からなんですが、Pro ToolsのMIDIシーケンス機能も、自分的には必要十分なツールは揃ってるという感じです。

曲の中間部に出てくるシンセループ(シーケンス)は、Hybridの中のプリセットをそのまま使ってしまってます。

こういうフレーズや音色って、最初は、「まあ、仮でこれにしておくか...」って思うんですが、何度も聴いてるうちに、自分の方が段々それに馴染むというか、曲の一部になってしまって、後から変更しようとすると、妙に違和感感じたりすることが多いんですよね。ですので、多少、面倒でも、最初から妥協しないで適切なフレーズや音色選んでおくのが良いと思います。本当は.....

ベースは、サンプルループネタのウッドベースのものですが、やはりテンポは「エラスティックタイム」機能で合わせつつ、キーの違うネタを幾つか組み合わせているので、そちらの方は、X-Formでピッチ変更して合わせました。オケに溶け込むとほとんど編集ポイントはわからないと思います。

エレキギターは、一応、ちゃんと弾いてます(笑)。
自分はギターアンプ持っていないので、アンプ/エフェクターも全てプラグインです。

この曲の場合、バックのカッティングはWaves GTRで、リードギターは、Elevenを使いました。最近は、ほとんどこの2つのどちらかですね。

Elevenは、この当時、多分、でたばかりでしたが、凄く存在感があって、ほとんどEQせずにアンプのトーンだけ多少いじってそのまま採用しましたが、アンプのアウトで、ちょっと整える意味でWaves V-Compを実行しています。これはNeveのシミュレーションものですね。

ギターソロは、全てアドリブで、5テイクくらい録り、良いところを切り貼りしています。
自分のギターソロのトラック・コンピングのやり方は、Pro Toolsでプレイリストを新規で作り、そこにクイックパンチ機能で、どんどん録音していきます。通常だと3-5テイクとりますが、一番使えそうなテイクが収められたプレイリストを複製し、差し替えたいフレーズ部分を選択し、別のプレイリストに切り替えて、当てはまりそうなのを選んでコピペです。つまり同時間軸上での差し替えです。他の箇所から持ってきたり、また、パンチインはほとんどやりません。このギターソロもそのやり方で完成させました。

その他では、Bメロのところで、Obationのアコギのカッティングを入れていますが、これもラインのみで録ってます。

リバーブは、ルームアンビエンスでWaves R-Verbを一つだけ実施、ディレイはギターソロのみにWaves SuperTapのPing-Pongディレイを、テンポに合わせる設定で実行しています。

リバーブが一つなのは、某エンジニアの方に、バンドもののイメージでやるなら、当然、同じ部屋で演奏してる感じを出した方が良いので、ルームアンビエンスとしてのリバーブは一個で十分!とアドバイス(?)されたからです。

空間系エフェクトは、全てセンド/リターンで送り、当然、リターンフェーダーにかかっているリバーブのダイレクト音はオフにします。自分の場合は、エフェクトのかかりは、各トラックのセンドレベルのみで調整し、リターン側のフェーダーは全くいじりません。それで素材に応じたリバーブのかかり具合を調整しています。

実際、ルームアンビエンスの統一感という事以外に、これを徹底した方が、少ないリバーブの数で作業できるので、CPUパワーも節約できるという現実的な理由もありました。
やっぱりクオリティーの高いプラグインは、それなりに重いですから、そういった工夫も必要になると思います。

最後にマスタリングですが、これは今年になってから相当試行錯誤というか、やり直しました。
結局、このアルバムの場合は、MDW EQWaves SSL4000Gマスターコンプで軽く整えた後、Wavs L3-16で音圧を稼ぐというパターンに統一してます。マスターコンプは、音圧を稼ぐというより、キャラ付けみたいな用途です。うまく言えませんが、これを通すと、自分が若い頃聴いてたアーティストの作品みたいな音の質感になるわけです。これはハイファイ的に良い悪いではなく、完全に好みの問題ですね。

この曲の場合は、L3-16のBasic 1というプリセットを元にハイとミッドはちょっと控えめにし、リリースを「Analog」にして、雰囲気としては、さっきのマスターコンプのところでも書いたように、アナログで録ったような感じの、馴染んでるというか、まざってるというか、ちょっと混沌とした感じにしようと試みました。レベル的には6dB叩いてます。

昨年の11月に作業開始してますが、当時はiMac G5だったので、録ってはバウンス、打ち込んではバウンス、という感じになってしまい、本当に昔のトラックの少なかったアナログテープで作業してる気分になりました(爆)。

うーん、やっぱり根が古い人間なのかなー.......そんなに苦にはならなかったですが、でも、やっぱりパワーはあるにこした事はないですね。

もし宜しければMySpaceへもどうぞ。


さて、アルバム全曲ってことは、この激長の制作記を延々、12回も続けるわけですねー.....
雑誌なんかでこれをやろうと思ったら、どんだけお金かかるんでしょうか......

まあ独り言に近い気もしますが、後で読み返すと自分でも参考になったりするので頑張ろうっと。



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