Hybridでテクノ系サウンド&ジミヘン・プラグイン・ギター:Trick [Pro Tools]
Trick by makasaka
この曲は、Hybridのステップシーケンスの使い方を勉強中に偶然できた、ちょっと人を喰ったようなベースラインが気に入って、それをモチーフに展開させてみました。
イントロから入るそのベースラインですが、この音自体はHybridのプリセット音まんまで、曲が展開しても基本、このプリセットで鳴らしています。自分では気に入ってるんですが......
途中で出てくるベースソロは、Structureのフレットレスベースのプリセット使ってます。フレットレスベースと言えばJacoですよねー。こんな美しいサウンドないと思うんですが、回りに聞くと、今時、フレットベースを打ち込みのオケの中で使う人いないですよーなんて言われたりします。そんなトレンドに逆らって(笑)、ちょっとフィーチャーしてみました。
ギターソロの後ろのストリングスや、変態的なシンセのアルペジオはXpand !です。
アルペジオの方は、レイヤーを組み、それぞれにアルペジオパターンを組んでLとRにふってます。Xpandは、簡単/便利で、しかも音が出来上がってるのでオケに馴染みやすく、どうしても手が行ってしまいます。
ドラムは、サンプルループでパターンを組みつつ、フィルのところだけスネア単体でもらってペタペタ貼ってます。
ベースが凄く機械的なので、ドラムは、ちょっと人が叩いてるっぽい感じにしたかったんですが、どうでしょうか?
ベース以外のSEっぽく入ってるシンセ類も全部Hybridで、しかもほとんどプリセットのまんまです(プラグインでエフェクトは追加してます)。Hybridという名前は、アナログシンセのフィーリングもデジタルシンセのサウンドも両方出せるってところから来てるんですが、音のキャラというか質感自体も、本当にその中間という感じです。SE類なんか、変に重くなくて、スペーシーな感じがいいですよね。
この頃は、iMac G5だったのでパワーがすぐに足りなくなってしまいます。
ですので、とにかくソフトシンセでパートを完成させたらオーディオに落とし、ギターを入れる前のカラオケを作るという作業を行いました。このタイミングでバウンスするときは、マスタリング系プラグインは一切実行しません。
バウンスしたら音変わるなんて人の話をたまに聞きますが、それを気にしてたら作業が進まないので、気にせずやってます(笑)
まあ、アナログテープでピンポンしてたことを思えば、どう考えてもこっちの方が「正確」だと思います。
オケができたら主役(?)のギターを入れます。エレキギターは、ここで紹介してるYamaha SG-300というふるーい奴で全部まかなってます。これ一本ってブライアン・メイか?って感じですが、でも、結構、色んな音作れます。勿論、かなり苦労はしてます。
最初の泣き系ギターソロは、IK MultimediaのAmplitube Jimi Hendrixです。このプラグインに関しては、このビデオが凄まじいです。
テーマのところのアルペジオと後半のクリーン系ギターソロは、色々作り込んでます。
使ったプラグインのオールスターキャストが下記です。
アルペジオのところは、Waves GTRとSSL4000EのEQ/Compかけて、Wavesのフランジャーをかけてます。
クリーンなサウンドの方のギターソロは、前半が、Waves GTR, GTR Stompでフェイザーとリバーブをかけて、Waves V-Compをトラックに実行しつつ、センドでWaves Super-Tapディレイをかけてます。このギターソロは、例によって全てアドリブで、全部で5テイクくらい録ってBLITZのところで説明したのと同じ方法でコンピングしております。
アウトロで加わるギターは、後半のハイに特徴あるトーンですが、Waves GTRの後にWaves SSL4000Eのモジュールのプリセットをかけると、こういうソリッドな感じになりました。Wavesのフランジャーもかけてます。
ここはメロディーが単純なので、サウンドを思いっきり空間系強調し、浮遊感を出したかったんです。
この曲のエフェクト類は、ほとんどがそれぞれのプリセットの中のものをそのままか、ほんのわずかしかいじらずに使っています。
その理由のひとつに、特にビンテージ系のエフェクトですが、使い方を完璧に把握していないっていうのがあります(笑)。
ですので、ゼロから作るより、プロが作ってくれたプリセットを元にいじっていった方が結果が良いケースが多いです。
ベースラインだけのときは、ちょっとコミカルすぎるかなーと思ったんですが、音を加えるうちに色々と表情が変わってきて、不覚にも「おお、結構行けるかも」なんて思っちゃったりして、完成したときは、自分じゃない人が作ったみたいな気持ちになり、思わぬ感動でした。まあ、大分、ナルはいってますが........お許しを。曲作りにおける、そういったハプニングも、ある意味、このスタイルで作業する醍醐味なのかもです。