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Pro Tools 10からSound Cloudへアップロード!:Multiplies [Pro Tools]

今回はリリースされたばかりのPro Tools 10を使って初めての曲作り&ミックスを行い、その勢いでSound Cloudにダイレクト・アップロードまでやってみました。 

プレイヤーは、前回紹介したHTML5版です。


とりあえず制作過程から解説していきましょう。

Pro Tools 10には、新たにChannel Stripというプラグインが付属していますので、全チャンネルにそれを使い,その他も含めて、極力、Pro Tools 10付属のプラグインで作業するようにしました。

ということで、こちらが最終のミキサーの画面です。

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相変わらずのバーチャル・インストゥルメント依存なのと、オーバーダブしたギターなどは既にまとめた状態(ステム化)になっているので、最終ミックスダウン時点では、そんなにトラック数は多くないですが、全部で20個くらいChannel Stripを実行しています。

これでCPU使用率は、約40%程度でした(24bit/48k SessionでiMac Core2Duo 3GHz使用 & 256 sample Buffer時)ので、効率はかなり良いと思います。

サウンドの方も、元々、System 5という大型デジタルコンソールからの移植ということで、個性重視というより、クリーンで上品な感じなので、まず最初に使うリファレンスとなるEQ/ダイナミクスとして適切だと思いました。

今回は、やらなかったのですが、例えば個性豊かなWavesのシグネーチャー・シリーズ後ろに使って「整音」していくみたいな役割にも合っていると思います。

このミックスでは、ほぼ全トラック、このChannel Stripだけで処理しています。
下記はその中のギター、ベース、ドラム(トータルで実行)、ストリングスのスクリーンショットです。

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低域部分は、ドラム&ベースに任せて、残りを上物にしてるイメージです。
フローを変更できるので、EQとCompの順番を用途に応じて入れ替えたりもできます。

Pro Tools 10のもう一つの新機能に「クリップ・ゲイン」というものがあります。
これに関しては、ギターソロの例で、ご紹介してみましょう。

「クリップ・ゲイン」は、各トラックのクリップ(以前まではリージョンと呼ばれていました)毎のボリュームを、設定する機能です。

これまでもトラック単位でフェーダー等を使って操作する「ボリューム」はあったわけですが、それとは別に、例えばフレーズ単位でボリュームを細かく設定することが可能になったわけです。

Pro Tools 10の「クリップ・ゲイン」機能の特徴は、単にそのクリップの「強弱」(ベロシティー)を設定するだけでなく、下記のように必要に応じて「ゲイン・ライン」も表示(クリップ・ゲイン・ミニ・フェーダーを右クリックでオン/オフ可能)し、ボリューム・オートメーションと同じ感覚でラインを描き、レベル調整して行く事が可能な点です。

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今回はギター・ソロにこの「クリップ・ゲイン」を使っているのですが、まず5テイク程録音し、それをトラック・コンプでフレーズをつなぎ合わせてOKテイクを作りました。

今までだったら、そのOKテイクに対してボリューム・オートメーション・ミックスを施して、フレーズのダイナミクスを調整したり、バックとのバランスをとっていたわけですが、当然、オートメーション・データは、各トラック内に1つだけだったので、フレーズ毎でのボリューム・バランス比較を行ったり、ミックス時に他の回りの楽器のバランスを変更したりした場合のボリューム変更を行うには、それなりの工夫が必要でした。

その辺がクリップ・ゲイン機能と使うと、実に簡単に作業していくことが可能になっています。
例えば、下記は、ギターのOKテイクのプレイリストを3つ作って(つまりフレーズは同じ)、各フレーズ(クリップ)のゲインを、それぞれ変更してみたものです。

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こうすると、再生しながらソロ・ボタンを押して切り替えるだけで、異なったボリューム・オートメーション・データを行った状態での比較が非常に簡単にできます。また、クリップ・ゲインでカーブをいじると、波形自体もそれに合わせて拡大/縮小するので視覚的にも強調したいところを確認しやすくなっています。

例えば、上図だと3つめが比較的「強弱」の少ないバランス重視のフレージングだと言えますし、真ん中は極端に起伏を付けたような感じになっています(ちなみに、このクリップ・ゲインは、プリフェーダー、つまりプラグインに行く前段階でのボリューム調整です。

今回の場合は、3つのパターンを比較し、結局、一番上のクリップ・ゲイン・テイクを採用しています。

また、この「カーブ」を保ったままトラック全体のボリュームを変更したい場合は、今まで通り、そのトラック上のボリューム・フェーダーを調整すれば良いわけなので、ミックス時で全体のバランスを取るのも非常に楽になりました。

このクリップ・ゲインは、音楽制作だと、普通に考えればドラム・ループやサウンドエフェクトなどの「ベロシティー」を付けるのに役立つ機能だと思いますが、こういう風に異なったオートメーション・バージョンの比較にも使えるので応用範囲が広いと思います。

ちなみに今回のギター・ソロですが、エフェクトの方は、下記のようなプラグイン構成です。

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最初にWaves RenAxe(軽めのコンプ)、Eleven Rack(ディフォルトで歪みだけ軽め)、Waves GTRのワウ(ギター・ソロの後半でオン)、Channel Strip(EQでローを削って、ワウのところで元に戻すオートメーション設定)、TL AutoPan(ワウかけるところで、ふり幅低めのオートパン)、そしてセンドで送ってAIRのディレイという形です。 

また、他の音源ですが、ドラムとベースはTransfuserでループを作りオーディオに書き出して切り貼りしたもの、エレピはVelvetで、後は全てXpand2です。

マスタリングは、これまで通りWavesでやろうと思ったのですが、今回は試しに付属系で固めてみました。
Channel Stripでトータル・コンプ&EQをかけて、そこからChannel Stripをリミッターだけて使い、その二つでゲインを3dBずつ叩いて、最後のレベルマキシマイザーであるmaximでは2dBのみのプッシュアップにしています。

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もしかしてリミッター無しで、すぐmaximでも良かったのかもですが、何事も経験ということで......
音圧に関しては、ここまで叩く必要ないとも思ったのですが、どうしてもこれまで作ったものと比較してしまうと、その曲のダイナミクスがどうのこうのというよりも、それらと同じくらいにはしておこう的な心理が働いてしまいます。

ということで、何はともあれ、これで作曲、演奏、録音、編集、ミックス&マスタリングと完成したので、いよいよマーケットプレイスである「Sound Cloud」へアップです!!

前段が長かったわりには、こちらの作業の方はあっけないくらい簡単です。
まず当然ですが、Sound Cloudのアカウントは事前に作っておきます(アップする時に作る事もできますが)。
そして「バウンス」を選び、「Sound Cloudで共有」にチェックを入れておきます。

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するとSound Cloudでの設定入力画面が出てきます。

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アップロードが完了した時に通知をチェックしておくと、下記のような画面が現れます。

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今回は24bitのまま(!)でアップしたので容量が75MBあったので、ちょっと時間かかりました(フリーでダウンロードできる設定にもなっているので宜しければどうぞ)。
アップロードの進行が気になる場合は、Pro Tools内の「タスクマネージャー」で下記のように進捗チェックも可能です。

46 +00001.png

ということで無事アップされると、こんな風になります。
「with Avid Pro Tools」っていうのは自動で付加されてるみたいです。

07 +00001.png

せっかくアップしたので、記念にPro Toolsに関連したSound Cloud内のグループに上げてみようと思いましたが、あんまりないですね........とりあえず、多分、全然、オフィシャルではないと思いますが、堂々とAvidのロゴを使ったPro Toolsというグループがあったので、シェアしておきました。

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なんとご覧のように、自分が上げた時点では、まだたったの3曲しかあがってませんでした[たらーっ(汗)]

目立つなら今です!
皆様もどんどんアップしてみてはどうでしょう?[音楽]

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