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Pro Tools 9 de サウンドメイク1:Free Wind [Pro Tools]

今回は、先日Sound Cloudにアップした「Free Wind」の各パートのサウンドについて解説していきましょう。

Free Wind by makasaka

ベース:Vacuum

この曲は、確かPro ToolsのセッションテンプレートについてたVacuumのシンセベース・サウンドにインスパイアされて作りはじめたと思います。

FreeWind-Vacuum.jpg

Vacuumは、アナログシンセのシミュレーションで重厚なサウンドが特徴ですが、ここではEQIIIでさらにローを持ち上げて低域を強調しています。ギターソロに行く前にあるベースのフィルターが徐々に開いて行く感じにしていますが、実際にパラメーターのオートメションを書いてるわけではなく、ベロシティーでフィルターの開き具合が変わるプリセットだったので、たまたまその特性を生かしてベロシティー値を調節してフィルターが開いて行く感じを出しています。

ドラム: Strike & Transfuser

StrikeとTransfuserを使っています。全編で流れているちょっとローファイなエレクトロ系のドラムはStrikeのプリセットに、Lo-Fiで歪み成分を加え、かつ他の全部の楽器が、この中で鳴ってる感じになるくらい、定位を思いっきり広げています。

FreeWind-Strike.jpg

Strikeは自分でもコンプ/EQをはじめ、一通りのエフェクトを内包していますので、定位やピッチと合わせ、各パート毎に細かな音作りが可能です。 ここではエレクトリックな感じのロータム(?)がズーッとベースのように低音を刻んでるパターンを選んだので、そのピッチが曲のキーに合うようにKitセクションで調整しました。またLo-Fiをかけた後、トータルコンプも実行しています。

何パターンか再生し、それをバウンス機能でオーディオ化してから曲の構成に合わせて編集しています。以前は、MIDIのままでやっていたのですが、最近はこっちの方がデータも扱いやすく、CPUパワー節約になるるので、音決めしてしまえた場合は、オーディオ化で作業する傾向が強くなっています。定位はこの段階でPro Tools 9付属のAIR Stereo Widthプラグインを使っていじっています。

FreeWind-Strike Audio.jpg

もう一つのギターソロから入ってくるドラムパターンはTransfuserを使いました。

FreeWind-Transfuser.jpg

 聴くと複雑な「打ち込み」的な作業をやってるように思えるかもしれませんが、実際には非常にシンプルに、気に入ったドラムプリセットを呼び出し、使用するフレーズパターンをMIDIでトリガーしているのですが、その際にBeat Cutterというランダムに「パフォーマンス」してくれる機能を使って演奏させているだけなんです。

この「Beat Cutter」機能のパフォーマンスは、ランダムなので再生する度に結果が違うため、32小節くらいダラダラ再生し、やはりバウンス機能でオーディオしてから4小節単位くらいの塊としてリージョン化し、その曲の構成に合うように並び替えたりしています。

自分の場合は、リアルタイムにパフォーマンスしているパートはギターだけなので、このTransfuserの予期せぬパターで演奏してくれる感じは中々刺激になってます。

今回の場合もギターソロのバックで使っているので、それに触発されてフレーズが出てきたり、また逆に、ギターを録音してからそれに呼応するような感じでパターンを組み替えたりもしてみました。また、その後にある簡単なドラムソロ的なパターンも、組み替えて作ったものです。こういう場合もMIDIのまま扱うよりも、オーディオ化した方が作業が簡単で良いですね。

Transfuserも数多くのエフェクターを持っていて、殆どこの中で音作りすることができますが、サブ・トータルEQ/コンプ(FairChild 660)は、こちらもオーディオ化してから実行しています。これは主に全体で再生した後にバランスを取るためです。ですので、Transfuserで実行するエフェクターは、ミュージシャンの自分の音作り、オーディオ化後にいじるEQ/コンプは、エンジニア的な視点になってると言えるでしょうか。

オルガン : DB-33

テーマを奏でてるのはこれまたPro Tools 9付属の本格的な「オルガン」音源であるDB-33です。
色々なタイプのプリセットがあるので迷いましたが、ここは最初に出てくる妖艶(?)な感じのギターと対象的に力強い感じにしようと思って、思いっきりダーティーな感じの音色を選んでみました。

 

FreeWind-Organ.jpg

プラグインの方は、見た目の色合いも似てるWavesのTony Maseratiのグループ用モジュールであるGRPの中からキーボード用ということでKEYSを選んでます。力強さ倍増でした!

 ギターソロ後のシンセループ;Hybrid

これはまあ、取り上げる程ではないかもしれないですが、ギターソロ後のドラムソロのバックで、ご存知Hybridにあるシンセループ素材にWavesのCRTプラグインを実行して、ちょっと浮遊感のあるつかみ所のない感じにしています。

FreeWind-Hybrid-CLA Effect.jpg

では、次にギターを見て行きましょう。

テーマはオルガンですが、結構、ギターはいってます。

中間部アルペジオ:Eleven LE

ギターはYamahaのSG300でフロントピックアップを使ってます。
プラグインはEleven LEで、AIRのPhaserを使ってますが、いかにもって感じにならないよう軽めです。

最初のテーマバックのアルペジオは、これのフェーザーをかけてないパターンです。

FreeWind-GtArp.jpg

中間部SE風ギター;Eleven LE

Free Windということで、ちょっと暴風な感じで暴れてるギターですが、ピックアップをセンターにして、歪みを深めでかけオートパンでグルグル動かしてみました。このオートパンをバイパスした音で、ギターソロもやってます。

FreeWind-GtSE.jpg

 ご覧の通り、ちょっとエッジを効かせるためWavesのKramer HLTのLead Gtプリセットを実行しています。Noizeをオリジナルにすると雰囲気でますが、結構、目立ってしまうので、ここではLoに設定しました。サウンド・キャラだけを取り出すというデジタルならではの技ですね。

このSE風ギターのところですが、張り切り過ぎたのかレベル・オーバー目で録ってしまって、ちょっと割れた感じのノイズが出てしまったのでWavesのX-Crackleを実行しています。これにより大幅な遅延が生じてしまうので自動遅延補正をオンにしてアジャストしています。

 

FreeWind-Mix Win ADC.jpg

 やっぱりこういう時は便利ですね、自動遅延補正機能。

ということで、出来上がりの波形はこんな感じです。
皆さんも是非、色々と試してみてください!

 

FreeWind-Edit.jpg


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