SSブログ

Pro Tools 10 & 11初コラボソング!: Phoenix [Pro Tools]

64bit化されたPro Tools 11に乗り換えるべくCPUを買い替えてApple iMacの2012年暮モデルにしました。
乗り換え作業は約半日。特に問題もなく普通に快適です!
スクリーンショット 2013-08-02 21.24.01.png


メモリーは気合いを入れて16GBにしました(これまでは4GB)が、実は自分の使い方(=ビデオは扱わない)なら8GBでも良かったのかもです。


早速、Pro Tools 11で一曲......と行きたいところですが、とりあえずPro Tools 10で作りかけの曲があったので、Pro Tools 10.3.6も共存させて、まずはそちらで作業開始。

Pro Tools 11とPro Tools 10.3.6共存時の注意事項こちらから。

というわけで完成した曲がこの「Phoenix」です。 
自分的には力作というか、か〜なり苦労して作りましたので、是非、ご一聴ください!


セッションはPro Tools 10ですのでお馴染みの風景。
スクリーンショット 2013-08-02 21.50.28.png

ギターは、テーマを弾いてるリード、ソロ、キーボードソロのバック、テーマに戻るところのアルペジオ部分等合計6トラックで大量プラグイン実行中ですが、ディレイはWavesのSuper-TapのSkaというプリセットを使ったもの1つだけで各トラックのセンド量を調整してかかり具合を変えてます。
スクリーンショット 2013-08-02 22.01.06.png

リードとソロには、お馴染みElevenを使って歪ませつつ、厚みを持たせるためWavesのDoublerをやや控えめにかけてます。

スクリーンショット 2013-08-02 22.06.47.png

ギター・ソロは、普通はアドリブで何テイクか録って良いところを切り貼りして完成するパターンが多いのですが、今回はアドリブを基本としつつも、珍しく途中のフレーズも考えてパンチインとかもしています。

エレピの音はVelvetで、オルガンソロはDB-33(下図)、後はシンセもストリングスも全てXpand 2を使いました。
キーボードは、全くうまくないので、それこそ適当に弾いてMIDIで編集というパターンです。

スクリーンショット 2013-08-02 22.09.27.png

ドラムとベースは、ループ・ネタの切り貼りですが、Elastic Audio/Pitchを使ってテンポやキーを合わせ、異なったサンプル同士が違和感なくつながるようEQで音色を調整しています。

ドラムは結構な迫力だと思うんですが、これはWavesのTony Maserati-GRPによるところが大きいです。
スクリーンショット 2013-08-02 22.17.06.png

このプラグインは、複数のドラム・トラックをまとめたサブグループにまとめてかけています。
最初は他のEQやダイナミクス系を使って音作りをしていたのですがシックリこず、このプラグインを使って Drum Liveというボタンを押したら「あ〜ら、不思議」、一発で気に入った感じになったのでそのまま採用してしまいました。

マスターは、Maximを使って6dB程度叩いています。

この曲、実は都合10回くらいSound Cloud(Replace機能を使って置き換え)に上げ直しています。
というのも、元のファイル(24bit/48Khz)では気にならなかったハイハットの高周波数部分が、Sound CloudのこのHTML5プレイヤーで聴くと、フェイズアウトが酷く気になるようになってしまったからです。

Sound Cloudのこのプレイヤーは、確かMP3 128Kになっているはずで、元のファイルをこのフォーマットにトランスコードする際に、やはりこういった音質的な劣化を起こしてしまうようです。

気にならないときは気にならないのですが、今回はその変化の度合いが激しかったので、何とかそれを最小限にしようと、マスターでEQをかけ直したりして、Pro Tools 10で何度かオンライン・バウンスしていたのですが、それをまたSound Cloudに上げては聴くという作業を何度も繰り返していると非常に時間がかかってしまい、効率がよくありません

というわけで、ここで、今回は使う予定のなかったPro Tools 11の登場です。
目的は「オフラインバウンス機能」です。
この機能自体の説明に関しては、英語ですが下記のビデオがわかりやすいです。 



まずPro Tools 10を使ってミックスし完成させた24bit/48Khzのステレオファイルを作ります。

それをSound Cloudに上げてみて、トランスコードされたサウンドを聴き、フェイズアウトして特に気になると思われる高域周波数を部分的にカットする為、Pro Tools 11上で取り込んだステレオファイルに、Blue Cat Audioが出しているフリーのAAX 64bit対応プラグインの一つである Blue Cats Triple EQというのを使って調整(曲のパート毎に微妙にパラメーターを変えるオートメーションを実行)します。 Blue CatsのAAX無償プラグインは他にも下記に表示されているような周波数アナライザーやコーラス、フランジャー等もありとても便利です。勿論、他のより高度な機能を網羅した有償版も用意されています。

スクリーンショット 2013-08-02 22.36.33.png

全体の調整が終わったら、オフライン・バウンス機能を使ってファイルに書き出し、再度、Sound Cloudに上げてチェックするというパターンでの作業です。

スクリーンショット 2013-08-02 22.32.43.png

Pro Tools 11のオフラインバウンス機能は、非常に高速で、この場合は、実時間の約33倍速で書き出す事ができました。

スクリーンショット 2013-08-02 22.40.53.png

良い結果を得られるまで、これを何度も繰り替えすと、このチェック自体は、面倒な作業であることに変わりはないものの、これまでよりは遥かに効率良く楽に作業ができます。

このオフラインバウンス機能、今後、自分的には、全体のステレオミックスを作成したり、オーディオのエフェクトプリントをする事以外に、恐らくバーチャルインストルメントのオーディオ化でも結構活用すると思います。

これはCPUパワーの節約という意味もありますが、自分の曲の作り方だと、特にリズム系音源はMIDIデータのまま扱うより、オーディオデータにしてから扱った方がフレーズの構築やループの組み替え等が便利な場合が多いからです。

今回の作業に関して言えば、結論的には、音質自体が損なわれないようにカットする帯域やdBを控えめにすると位相ズレは消えず、かと言ってあんまりカットすると迫力のないサウンドになってしまう......ということで、元のサウンドを大きくいじるという事にはなりませんでしたが、オフラインバウンス機能のおかげて、その試行錯誤の時間も最小限に抑えられたし、かつSound Cloudのトランスコーダーの特徴らしきものも、改めて認識し直すことができました。

もしSound Cloudプレイヤーで聴いたみて音質が気になるようだったら、オリジナルの24bitファイルもアップされていますので、ダウンロードして聴き比べてみてください。

ということで、今回はPro Tools 10で作業中のセッションを使った曲を完成させる事を優先した為、奇しくもPro Tools 11と役割分担したような使い方にはなりましたが、ある意味、試運転というか、新機能の使い方やユーザーインターフェイス等に慣れる事はできたので、今後は対応プラグインの特徴を吟味しつつ、最初からPro Tools 11を使って楽曲作りをしていきたいと思います!




トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

トラックバック 0

http://soundcloud.commakasaka

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。